こんにちは、クロスルートコンサルティングの櫻井洋実です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める際、多くの経営者が直面する課題があります。それは、「ITツールに抵抗がある社員をどう巻き込むか」ということです。
「うちの社員はITが苦手で…」「新しいシステムを導入しても、結局使ってくれないのでは…」という不安から、DXへの一歩を踏み出せない企業も少なくありません。
今回は、そんな「ITが苦手な社員」が自らやる気を出してDXに取り組むようになるための、いくつかのコツをお話ししたいと思います。
なぜ、ITが苦手と感じるのか?
まず、社員がITツールに抵抗を持つ理由を理解することが大切です。
- 「今のやり方で問題ない」という慣れ: 長年慣れ親しんだ手作業の方が、かえって安心だと感じる。
- 変化への不安: 新しいことを覚えるのが面倒、失敗するのが怖い、といった心理的なハードル。
- メリットが見えない: 会社の都合で導入されるように感じ、自分自身の仕事がどう良くなるのかが分からない。
こうした不安を解消し、前向きな気持ちを引き出すことが、DX成功の鍵となります。
1. 小さな成功体験を積ませる
いきなり大規模なシステムを導入するのではなく、まずは誰もがメリットを実感できるような、身近な業務からデジタル化を始めましょう。
例:
- 紙の回覧板をチャットツールに置き換える。
- 社内の情報共有をクラウドストレージに集約する。
小さな成功体験が積み重なると、「意外と簡単だ」「便利になった」と感じ、次のステップにも前向きに取り組めるようになります。
2. 「会社のため」ではなく「あなたのため」を語る
DXの目的を、従業員自身のメリットに紐づけて説明することが重要です。
- 「このツールを導入すれば、あなたが毎日行っている手作業が半分に減らせます」
- 「情報をデジタル化すれば、あなたが探している書類を1分で見つけられます」
このように、DXが従業員一人ひとりの「非効率」や「ストレス」を解消することに繋がると伝えることで、協力者が増えていきます。
3. 現場の声を聞き、一緒に進める
ツールをトップダウンで一方的に導入するのはNGです。現場の社員に「今、どんな作業に不満がありますか?」「どんな機能があれば便利になりますか?」とヒアリングを行いましょう。
社員が「自分たちの意見が反映された」と感じると、そのツールを「自分たちのもの」として積極的に活用するようになります。
4. 『ITに詳しい人』ではなく、『教えるのが得意な人』がサポートする
導入後のサポート体制も重要です。専門的な知識を持つIT担当者だけでなく、「教えるのが上手な社員」を巻き込み、質問しやすい環境を作りましょう。
「こんなこと聞いてもいいのかな…」と遠慮してしまう社員のために、気軽に相談できる雰囲気を作るのが成功の秘訣です。
最後に
DXは、単なる技術導入ではありません。それは、社員一人ひとりの意識を変え、働き方を変えていく「人の変革」です。
私たちクロスルートコンサルティングは、技術だけでなく、現場で働く「人」の気持ちに寄り添ったDX推進が必要だと考えています。
ITが苦手な社員の育成にお悩みでしたら、一度我々に相談してみませんか?