持続化補助金とは小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援する制度であり、これを利用して事業拡大を狙う小規模事業者は増えてきています(補助金額:50万, 補助率2/3)。この補助金申請には「経営計画」および「補助事業計画」の作成が必要ですが、補助金申請が初めての方などは苦戦するケースも多いです。今回から数回にわたって、持続化補助金申請書の書き方について解説します。第1回は申請にあたっての基本情報や大まかな概要などついて解説していきます。なお、令和3年度 からは、新型コロナウイルス感染症感染防止と事業継続を両立させるための対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行い、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助する「低感染リスク型ビジネス枠 」(補助金額:100万, 補助率3/4)もありますが、本シリーズでは一般型を対象としております。

【参考】低感染リスク型ビジネス枠の概要については以下をご覧ください
https://www.jizokuka-post-corona.jp/about/

申請書様式とお役立ちサイト

まずは基本情報になりますが、申請に際して、全国商工会連合会に提出する様式と日本商工会議所に提出する様式があります。主要な記載内容に違いはありませんが、様式だけは異なるので注意が必要です。
また、申請にあたり参考になるのは「ミラサポPlus」というサイトになります。「ミラサポPlus」は中小企業向け補助金・総合支援サイトであり、持続化補助金だけにかかわらず色々と便利な情報が記載されていることから、ブックマークしておいて損はありません。

【全国商工会連合会様式】
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/

【日本商工会議所様式】
https://r1.jizokukahojokin.info/index.php/sinsei

【参考】商工会と商工会議所の違いは?
https://www.shokokai.or.jp/?page_id=208

【参考】ミラサポPlus 持続化補助金とは
https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/persistence/

補助金申請書作成にあたっての基本的心構え

さて、具体的内容に入る前に、初めての方向けに補助金申請にあたっての基本的心構えについて解説します。すでに補助金申請書を書いたことがある方は読み飛ばしていただいても大丈夫です。

まず、最も重要なことは、公募要領に記載されている必要事項については必ず記載する、ということです。そんなことは当然だろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これが出来ていない方もちらほら見受けられ、これではいくら壮大に計画書を練り上げても意味のないものとなってしまいます。必ず公募要領をしっかり読んで、必要事項を記載するようにしましょう。また、商工会議所などにアドバイスを貰うこともできます。第三者の目で見ることによって、自分では気づかなかった抜け落ちなどが見えたりするものです。

次に大切なのが、読み手を意識してわかりやすく書きましょうということです。こちらも当たり前の話になるのですが、文字だけで申請書が埋め尽くされている申請書と、箇条書きや図などを利用し要点を押さえて書いてある申請書では、どちらが採択されやすいかは一目瞭然だと思います。審査する側は膨大な数の申請書を確認しているため、できるだけわかりやすく、かつ要点を押さえて書くようにしましょう。

持続化補助金申請書に書くべき内容

ここでは持続化補助金申請書の記載事項の概要について解説します。持続化補助金申請書には応募者の概要のほか、経営計画および補助事業計画について記載する必要があります。応募者の概要については、会社情報について簡単に記載する程度なので、様式に従って記載することで問題ありません。採択にあたり差が出てくるのは、経営計画および補助事業計画の内容になります。この二つの書き方について、本シリーズでは詳細に解説していきます。(詳細については次回以降になります)

まず一つの目の経営計画ですが、記載事項は以下の4つになっております。

  • 企業概要
  • 顧客ニーズと市場の動向
  • 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
  • 経営方針・目標と今後のプラン

続いて二つ目の補助事業計画ですが、以下の4項目になります。

  • 補助事業で行う事業名
  • 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
  • 業務効率化(生産性向上)の取組内容
  • 補助事業の効果

上記が必須で記載するべき内容になります。ただし項目だけ見て侮ってはいけません。申請書の様式を見るとわかりますが、上記の項目に従い記載枠が設定されているだけで、内容についてしっかりと吟味して書かないと、採点者の意図する内容と違う内容を記載してしまうこともあるのです。また、経営計画および補助事業計画は全部で8枚以内という制限もあります。(そんなに書くことないよ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが笑)

いかがでしたでしょうか?今回は申請にあたっての心構えや概要について解説でした。次回は本丸の経営計画の内容ついて、深掘りしながら書き方のポイントについて解説していきます。